Scarsdale
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イスラエル紀行(写真集)          2005年初夏

このほど夫婦でイスラエルに行ってきました。夫がユダヤ系アメリカ人であることや私自身ユダヤ教に改宗しユダヤ教会に属していること、スカースデール学区にユダヤ系アメリカ人が多く関心が非常に高いことなどもあってイスラエルには以前から一度行きたいと思っていましたが、なかなか実現できず今回やっとその長年の夢を果たしたと言うわけでした。

ユダヤ系アメリカ人と一口にいっても夫のようにアメリカで生まれ育った人もいればヨーロッパやその他の国から移民してきた人もいます。宗教の上でも大別するだけで正統派、保守派、改革派(我が家は改革派に属しています。)に分かれていて、そのどの派にも属さない人たちも少なくありません。また、ユダヤ人が3人よれば10の意見といわれるくらいそれぞれに考え方が違いますので彼らのイスラエルに対する感情を一言で説明することは不可能です。ただ一般的に言えるのは、大半の人たちがユダヤ人の国として建国されたイスラエルに「心のふるさと」とでも言った思いを抱いていることでしょう。それは、ローマに滅ぼされたあと「ディアスポラ」として各地に離散したユダヤ人が2000年以上故郷に対して抱き続けてきた思いで、自分の国であるアメリカに対する忠誠心とか、親戚や友人がイスラエルに住んでいるかといったことにはほとんど関係がないようです。イスラエルのニュースは間髪をいれずすぐこちらでも話題になりますし、何人か集まると必ずといっていいほどイスラエル政府のあり方に対する賛否両論の議論がはじます。それだけではなく多くの人たちがイスラエルの観光収入を支えるために機会を見ては旅行したり、様々な団体に寄付をしたり、子供たちを留学させたりと何らかの形でイスラエルとつながりを持っています。

我が家の子供たち二人も高校3年の夏休みをイスラエルで過ごしています。娘はその後大学3年の時もベン・グリオン大学に留学しました。この時はちょうどいい機会だったので私たちも一緒に旅行をする予定にしていたのですが、パレスティナ人との和平交渉が決裂したあとテロ事件が頻発し、娘をアメリカの大学に戻しましたので結局行かずじまいになっていました。最近になって紛争も和らぎ、夫も退職して時間ができたのでやっと出かけることにしたのでした。そんなわけで3週間イスラエルを旅行しましたので、その見聞録を日程順にフォト・ギャラリィの形でお伝えすることにしました。(写真はすべてクリックすると拡大します。)

Israel mapイスラエルは、ニュースで目にしたり耳にしたりしているとアメリカなみの大きな軍事国家を想像しがちですが、実際は驚くほど小さな国です。面積にしておよそ2.2万キロ(最南から最東までの長さが400キロ)で、これはアメリカで言うとニュージャージ州、日本では四国ほどの広さでしかなく、北から南までどこでも日帰り旅行が可能なくらいです。このせまい土地に約688万の人たちが住み、地図を見ると明らかなように(クリックすると拡大します。)、周囲をレバノン、ヨルダン、エジプト、シリアの広大なアラブ諸国に囲まれています。これは国全体を海で囲まれ、敵の襲撃を比較的受けにくい日本とは大きな違いです。しかも隣接はしないまでも近くにはまだイスラエルを独立国として認めていないアラブの国が多く、(エジプトとヨルダンとは和平が成立していますが。)パレスティナ人との紛争もまだ完全な解決には至っていませんので、国防のための軍事費の割合は高く18歳以上の子供たちは少数の例外(超正統派の人たちやアラブ系イスラエル人などーーただしこの例外は不公平であるとして問題にされている面もあります。)を除いてすべて徴兵制度になっています。

イスラエルの人口はその約77%がユダヤ人、残り23%がアラブ人その他100以上の諸民族といわれています。ただ、同じユダヤ人でも違った文化背景を持つあらゆる国からの移民で構成されていてこの点もほとんど日本人で成っている日本と対照的です。公用語はヘブライ語ですが、(2000年近く聖書でしか使われていなかった言語を19世紀後半,通常の話言葉、書き言葉によみがえらせたものです。イスラエル・アラブの人たちはアラブ語を話します。)英語教育もよく行き届いていてほとんどの人たちが外国人に対しては流暢に英語を話すのにも驚かされます。

イスラエルは、独立国家として歩き始めたのが1948年という比較的若い国でありながら、現在では世界的にも高度なテクノロジーの輸出国となっています。その一方アブラハムがユダヤ教の基礎を築いた5000年以上前の歴史が今も息づいていてキリスト教、イスラム教発祥の地としてもあらゆるところでその形跡をたどることができます。ある意味で国全体が博物館といった趣さえあります。このフォト・ギャラリーではそうした新旧併せ持つ面のイスラエルをその片鱗ながらお伝え出来ればと思っています。(2005年初夏)

旅の順序は、次の通りです:(クリックするとその場所に飛びます。)尚、日本語読みは日本で使用されているヘブライ語の発音、括弧内は英語になっていて両方の発音は一致しないことがありますのでご了承ください。

テルアビブ(Tel Aviv) カイサリア(Caesarea) ナザレ(Nazareth) ハイファ(Haifa) アコ(Akko) チッポリ(Zippori)スファット(Safed)ガリラヤ湖
(Galilee)
カペルナム(Capernaum) ゴーラン高原(Golan Heights) ベトシェン(Bet Shean) エルサレム(Jerusalem) ベツレヘム(Bethlehem) マサダ(Masada) 死海(Dead Sea) エルサレムからテルアビブ(Jerusalem to Tel Aviv) アシュケロン(Ashkelon) イフォ(Jaffa)

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