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盛況を極めたスカースデール日本祭
5月29日のシニア・シティズン・デーでは、緑の木々に囲まれた「ネーチャー・センター」の庭園で、高齢者を対象に生け花、お茶、着物の着付けなどの日本文化を紹介、その後は日本人ナーサリー・スクールの子供たちによる英語、日本語の合唱で大賑わいを見せました。子供たちの可愛らしさに涙ぐんで喜んでいる人たちの姿もみうけられました。
学校関係のプログラムでは五嶋みどりさんの演奏と生徒たちの対話、ワールドゲーム社によるゲームを通して世界の地理や人類分布などを理解させるための「ワールド ゲーム」、ハーモニア オペラ カンパニーによる歌劇「うりこ姫とあまんじゃく」、ローニー・シェルダンとカンパニーによる尺八、三味線、琴の演奏と対話、日本人男性で組織されている「ニューヨーク・グリークラブ」の皆様の合唱などが続きました。五嶋みどりさんのすばらしい演奏とその後の対話はいうまでもなく、日頃会うことの少ない日本人のお父さんたちの合唱も子供たちによい印象を残したようです。
最後のプログラムは、6月19日から7月1日までの11日間にわたるスカースデール高校6名の生徒と学区教師3名の「日本訪問」です。この9名は「日本で何を見、帰国したのちそれをどういかしたいとするか」と言うエッセイ募集に応じた60名の中から選考されました。出発前の5週間は一週に一度実行委員会担当者がJETプログラムで日本を経験したアメリカ人たちに話しをしてもらったりして、日本の文化習慣、挨拶の方法などのオリエンテーションを行いました。私は通訳、世話係などをかねて日本行きに同行しましたが、奈良、京都、豊田、東京の各地で受けた歓待に対する彼らの感激や日本人とのすばらしい触れ合いは、今後彼らが何らかの形で日米の掛橋として動いてくれることを確信させるものだったように思われました。
以上のプログラムの他には日米住民がそれぞれにお互いを招待しあうことを奨励する目的で実行委員会の中に「ホームパーティ・コミティ」と言う委員会が作られました。委員会はフェスティバルの期間中60余のパーティを組織し、600人以上の人達がそれに参加しています。
ARIGATO!
日米交流促進と言う同じ目的に向かって日本政府、企業、地区住民が共に動いたスカースデール・ジャパン・フェスティバルはこうしてすべてのプログラムを予定通り終了しました。クロージング・パーティには総領事も列席され、日本人を代表してスカースデール住民に協力のお礼を述べられました。フェスティバルがアメリカ側住民にとってどのようにうけとめられたかは、地方新聞であるスカースデール・インクアイラーが「Arigato」と題する社説の中で住民の声を伝えていますのでその一部を紹介します。
文化、教育、社交、娯楽イベントをすばらしくミックスした五ヶ月間にわたる「スカースデール・ジャパン・フェスティバル」は、大成功のうちに終了した。スカースデール住民は老いも若きも、ミュージックファンもスポーツファンもすべての人が日本人コミュニティに招待を受け、多くの住民がその招待を受けることでこれまで知ることのなかった文化にふれ、その喜びを日本人コミュニティと分かち合ったのである。日本政府や企業の多大な支援を得て日本人コミュニティが行ったこのすばらしいイベントに参加した人達は、今後日本人が地域に溶け込まないとか、日本人の子供たちの英語教育に学区がお金を使いすぎると文句をいう人たちには黙ってはいないだろう。
「スカースデール・フェスティバル」はただ漫然と開催されたのではない。オーガナイザーたちの一年以上にわたる驚くべく時間と仕事量をもって可能となったのである。日本人は個人的に名前をあげられることをよしとしないとのことなので、ここでは特定の名前をあげることはしないが、このすばらしきプロジェクトに関与した全ての人にスカースデール住民は心からの「arigato」を伝えたい。」
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